相続相談について

「第24話」不動産相続「認知症への備えとしての家族信託①」

「第24話」認知症への備えとしての家族信託①

 

 

「不動産相続」ブログの第2回となる今回は…

「認知症への備えとしての家族信託①」を調布一優しく解説してみたいと思います!

 

             

 

 

認知症や交通事故、精神障害などにより、本人の判断能力が低下してしまうと、非常に多くの問題が発生します。

 

例えば…

 

自分自身で介護施設への入居の手続きができなくなったり、必要なお金を用意するために定期預金から普通預金に振り替えたり、ATMから現金を引き出すことすらままならなくなってしまいます!

 

            

 

 

 私は時々次のような相談を受けます。

 

「私の親が認知症になってしまったのですが、今からできる相続税対策はありますか?」

という内容です。

 

 

 

その答えは…

「残念ながら、今からできる相続税対策は一切ありません」

とお伝えしています。

 

 

税金対策ができないだけならまだいいです・・・

本当に恐いのは、「デッドロック」と呼ばれる現象です。

これは不動産などの所有者が、認知症等により自分の意思が示せなくなると、売ることも貸すことも取り壊すこともできなくなる…

 

つまり…

誰も手が付けられなくなる現象のことです。  

ある意味で相続よりも恐い現象なのです。

この現象について、不動産にまつわる法律の基本的なことから順を追って解説していきます。

 

 

 

《不動産にまつわる法律の基礎知識~所有権とはなんぞや》

 

まず、不動産の持ち主のことを、所有者(しょゆうしゃ)といいます。

この所有者には、所有権(しょゆうけん)という権利があります。

この所有権は、原則としてその不動産を取得するためにお金をだした人がもつことになります。

お金をださずに所有権を手に入れる方法は、贈与か相続で引き継ぐ方法しかありません。

 

この所有権という権利は、さらに2つの権利に分解することができます。

 

1つ目は・・・

 

①【その不動産を管理する権利】

 

これはその不動産を修繕したり、建替えたり、売ったりすることを決めることができる権利です。

自分が買った不動産を、他人が勝手に建替えたりしたら困りますよね?

そういったことは法律上できないようになっています。

管理する権利は、所有権のある人にしかないのです。

 

 

2つ目は・・・

 

②【その不動産から得られるお金をもらう権利】

 

これはその不動産から得られる家賃や、その不動産を売却した際の売却代金は、所有権をもった人のものとなります。

このお金を自分のものにできる権利のことを、難しい言葉で受益権(じゅえきけん)といいます。

 

しかし…

 

難しい専門用語を覚える必要はありませんので、お金をもらう権利と覚えておけばいいでしょう。

ということで所有権

管理をする権利

お金をもらう権利から構成されているというわけです。

 

 

 

 

 

 

《もし所有者が認知症になってしまったら?》

 

ここで一つクイズをだしていきます。

もしも…

 

Q. 不動産の所有者が認知症などにより、判断能力が低下してしまった場合、その家族はその人の不動産を代わりに売却することはできるでしょうか?

 

 

 

チッチッチッ・・・ 正解を発表します。

正解は・・・

 

A.  父の代わりに売却することは、原則としてできないんです。

父が認知症になったとしても、その物件の所有権は父がもっています。

 

 

財産を売却したり、修繕したりすることを決められるのは、所有権をもった人だけなんです。

たとえ親族であっても、父の了解を得ずに(つまり勝手に)売却することはできないのです。

 

 

《成年後見制度とは》

 

認知症や精神障害などにより、判断能力が低下してしまった人を法的に支援する制度で、平成12年4月1日にはじまりました。

導入されてから利用者は毎年右肩上がりに増えており、現在では約20万人以上の方がこの制度を利用しています。

 

この制度は…

 

判断能力が低下してしまった人のために、親族や弁護士、司法書士などがその本人に代わって財産管理や契約行為を行うことができる制度です。

 

本人の代わりになってくれる人のことを後見人(こうけんにん)といい、判断能力の低下してしまった人のことを被後見人(ひこうけんにん)といいます。

 

後見制度には二つの種類があります。

 

①ご本人が元気なうちから、将来、自分が認知症になってしまった時のために、後見人を選んでおくことのできる《任意後見制度》というものと、

②既に判断能力が低下してしまったあとに、後見人を家庭裁判所が選ぶ《法定後見制度》というものです。

 

いずれの制度を利用した場合でも、後見制度を開始した場合には、後見人が本人の代わりに介護施設の入居手続きや、銀行で預金の入手金などが行えるようになります。

 

 

それではここでまたクイズです。

 

【問題】

Q. 後見人に頼めば、その人の不動産を売却する手続きを進めることができる?

〇か×か?

 

 

正解は…

A. 原則としてできません。

 

後見人はその人の財産を守ることが役目であり、財産を運用したり、組み替えたりすることが役目ではありません。

売却することに合理的な理由があると認められる場合を除き、家庭裁判所から許可がおりない可能性が高いのです。

 

 

 

不動産を売却しないと介護施設に入居できないなど、そのような理由があれば売却することはできますが、そういった事情がなければ、不動産の売却はほぼできないと思っていた方がいいです。

 

こうして不動産を売却することも建替えたりすることもできなくなってしまうことを…

「デッドロック」と呼んでいます。

 

 

知っていると知らないでは、できる事が大きく違ってくるのがお分かりいただけましたでしょうか?

 

 

もし

「突然意識がなくなったら!?」

「認知症になってしまったら!?」

「知らない場所で逝ってしまったら!?」

 

そうならないためにも今から準備を始めてみませんか?

 

 

弊社ではこのような要素をお客様ごとにお聞かせいただき、配偶者に相続財産のどれくらいを相続してもらうことが一番有利になるか、その「目安」をシミュレーションさせていただきます。

 

具体的ではないけど、残された大切な家族に苦労をさせないために知っておくべきこと…など、

当社独自のネットワークを活用し、多種多様なニーズをサポートいたします!

 

 

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さて…

 

「デッドロック」という恐ろしい言葉を心にとどめていただければ、みなさまの今回の目標は達成されたと言えるでしょう…。

 

次回は不動産相続の第3弾(正確には第2弾の続きですが…)「認知症への備えとしての家族信託②」で、後見人制度と家族信託とを比較しながら、もう少し具体的なお話をさせていただきたいと思います。

 

次回もどうぞお楽しみに!

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