相続相談について

「第21話」意外と知らない「遺言書の落とし穴」

「第21話」意外と知らない「遺言書の落とし穴」

 

さて…

 

令和元年最初の相続ブログ…

 

本来なら「40年ぶりの相続法改正とは!?」最終弾…

 

となるところですが、改正内容だけで遺言書については何もわからない…という声もあり、今回は意外と知らない「遺言書の落とし穴について少しお話しさせていただきます。

 

遺言書を残すなら必ず知っておかなければいけないルール…。

 

そのルールの名前は「遺留分(いりゅうぶん)」です。

 

第19話でもかいつまんでお話ししましたが、相続人が複数いる場合には、

「誰が」「どの遺産を」「どれくらい相続するのか」

を決めなければいけません。

前回もお話ししましたね…覚えてますか?

それではまず…

 

 

【保存版】遺言書の書き方!徹底解説

 

 

遺言書には大きく2種類あります。「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」です。

 

自筆証書は簡単に作れますが、実際に相続が発生してから効力が無効になってしまうトラブルが非常によく起こっています。

公正証書遺言は、作るのにお金と手間がかかります。

が…

 

その分、いざ相続が起きた時には非常に強い効力が発揮されます。

その辺りを徹底解説しましょう!

 

 

 

《実際には兄弟姉妹の間で遺留分の侵害が起こりやすい》

 

 

前回の事例では、「愛人に全ての遺産を渡しますよ」という非常に極端な事例を紹介しましたが、実際には兄弟姉妹の間で遺留分の侵害が発生するケースが最も多いんです。

例えば不動産は全て長男、残りの遺産は長女に相続させようと遺言書を作った場合、遺産の中に不動産が占める割合が大きければ、簡単に長女の遺留分を侵害してしまいます。

 

また…

 

会社オーナーにおいても同じ問題が発生します。

 

会社の株式は後継者である長男に、残り遺産は長女に残そうとすると、その会社の株式の評価額が大きければ、長女の遺留分を簡単に侵害してしまうのです。

そして…

これは見落としがちな論点ですが、遺留分の割合は相続が発生する順番によって変化します。

 

 

【例えば】

 

父が先に亡くなり、母が後に亡くなった場合

父が亡くなった時の子供の遺留分は8分の1ですよね。

 

 

 

 

しかし…

 

母が先に亡くなり父が後に亡くなった場合

父が亡くなった時の子供の遺留分は4分の1になります。

 

 

 

そう…

相続が発生する順番によって、遺留分の金額は2倍も変わるのです!

平均余命から考えると男性から先に亡くなる可能性が高いのですが、こればかりは誰にもわからないことです。

遺留分の対策をするのであれば、あらゆる可能性を考えて対策をしなければいけないのです!

 

 

 

遺留分を計算する際の「時価」の考え方に注意

 

遺留分の割合については、もうご理解いただけたかと思いますが、そもそも遺留分の計算をする時の、遺産の金額の考え方に注意が必要です。

この時の遺産の金額は、相続が発生した時の時価とされています。

ここで注意をしなければいけないのが不動産の時価の考え方です。

 

 

相続税を計算する際に使う不動産の評価額は、相続税評価額というものを採用します。

一方で遺留分を計算する際に使う不動産の評価額は、実際の売買価格を基準とします。

 

不動産の相続税評価額は、実際に売買される価格よりも低くつけられています。

実際に1億円で売買されているような土地であれば、相続税評価額は8,000万円前後になります。

 

相続税評価額は実際の売買価格の80%前後になるように設定されているのです。

 

遺留分を計算する際には相続税評価額ではなく、実際の売買価格を基準としますので、相続税評価額ベースでは遺留分を侵害していなくても、実際の売買価格ベースにすると遺留分を侵害しているケースもありますので、この点については特に要注意です。

 

 

子供のいない人の遺留分

例えば子供のいない夫婦がいたとします。

Q もしこの夫が亡くなってしまった場合、相続人は誰になるでしょうか?

 

答えは…

 

A 妻と、夫の姉や甥、姪が相続人となります。

もし遺言書がない場合には、相続人の奥様とご主人の兄弟姉妹との間で遺産の取り分について話し合いをしなければいけません。

 

 

想像してみてください。


今この記事を読んでいるあなたの奥様ないし旦那様と、あなたの兄弟姉妹たちが話し合いをする姿を…。

なかなか大変そうじゃないですか?

実際、このケースは凄く大変なんです…。

 

そもそもあまり付き合いがないケースがほとんどですから。

特に甥や姪の代までいくと、ほぼ面識がない場合もあります。

 

 

 

このような事態を避けるために、ご主人が「私の遺産は全て妻に残します」という遺言書を残しておけばどうでしょうか?
姉や甥、姪からすれば「俺たちも相続人なんだから、遺留分くれよ」と言いたくなるかもしれません・・・

しかし…

 

ここでちょっと考えてほしいのです。

そもそも遺留分と言う制度は、どのような趣旨で創られたものでしょうか?

 

 

遺留分という制度は、亡くなった人の家族が今後の生活に困らないように、必要最低限の金額は相続できるようにするために創られた制度です。

 

 

それを踏まえて、もう一度考えていただきたいのですが、もし、このご主人の遺産が、姉や甥姪に渡らないと、この姉や甥姪は生活に困りますでしょうか?

 

 

困らないですよね。

 

なぜなら、一般的にある程度の年齢になれば、兄弟姉妹は別々の生活をはじめます。

既にそれぞれの生活基盤ができているはずなのです。

 

 

そのことから、兄弟姉妹の間で遺産が相続できなくても、その人たちは今後の生活に困らないと考えられています。

そのような趣旨から、兄弟姉妹(甥姪も)には遺留分がありません!

つまり最低保障されていないのです。

 

「兄弟姉妹には遺留分がない」ということは、相続対策をする上で非常に重要なポイントです!

子供のいない夫婦が「私の財産は全て妻(または夫)に残します」という遺言書を残した場合、兄弟姉妹たちは「私たちも相続人なのだから、少しは財産よこせー」とは言えないのです。

 

遺留分ないですから…。

つまり…

 

 

遺留分を気にせず好きな遺言書を残すことができるのです!

 

これがもし、遺言書がなかった場合には、相続人全員で話し合わないと遺産をわけることはできません。

 

預金口座の名義変更すらままならなくなります。

 

子供のいない人にとっては、遺言書があるかないかで、残された人の労力は何百倍も変わりますので、今この記事を読んでいるあなたがそうでなくても、周りに子供のいない夫婦がいれば、是非ともこのブログをシェアしてあげてください。

 

 

【まとめ】

 

遺留分という考え方は遺言書を作った時にしかでてきません。

争いを防ぐために遺言書を作るのですが、残念なことに、遺留分を侵害している遺言書を作ってしまえば、それが原因で争いに発展します。

不動産や会社の株式など、時価の把握が難しい財産をお持ちの方は、遺言書を作る際に、必ず当社にご相談いただくことをお勧めします!

 

 

 

 

「いつか来る相続に備え、その時に困らないように学んでおかなくてはいけないこと。」

 

弊社ではこのような要素をお客様ごとにお聞かせいただき、配偶者に相続財産のどれくらいを相続してもらうことが一番有利になるかその「目安」をシミュレーションさせていただきます。

 

具体的ではないけど、残された大切な家族に苦労をさせないために知っておくべきこと…など、

当社独自のネットワークを活用し多種多様なニーズをサポートいたします。

 

 

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さて、2話にわたってお送りした遺留分関連の話し…遺言書を作成するにあたり、遺留分を深く知らなければならないことを、ご理解いただけたと思います。

 

次回は「40年ぶりの相続法改正とは!?」最終弾「相続の効力に関する見直しと相続人以外の貢献を考慮するための方策」についてお話をさせていただきたいと思います。

 

次回もどうぞお楽しみに!

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