相続相談について

「第18話」遺言制度の見直し

2019新年

あけましておめでとうございます。

 

 

 

皆様のおかげで今年も無事に新しい年を迎えることができました。

 

相続ブログのチャンネルも発足から1/2年が過ぎ…。

 

2019年10月には消費税の軽減税率制度付増税という、よくわからない試練も待ち受ける中、それよりも一足早く7月には相続に関わる法改正が行われます。

 

2019年も基本に忠実な「争いのない相続」を目指し、わかりやすいブログにこだわり続けたいと思っております!

 

そんな訳で今年もよろしくお願いします!

 

 

 

 

 

 

新年最初のブログは昭和55年以来の「40年ぶりの相続法改正とは!?」から…

 

 

※出展 法務省「民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律等の概要について」

http://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00222.html

 

 

 

 

争族回避の切り札「遺言書」の改正に注目した「第3弾」

 

《「遺言制度の見直し」で何が変わるの?》

 

いきなりですが問題!

 

Q:日本人の何人に1人が遺言書を作っていると思いますか?

 

正解は…

 

チッチッチッ…

 

 A:約10人に1人です。

 

まず…

 

遺言書には、大きく分けると2種類あります。

 

 

①公正証書遺言(こうせいしょうしょゆいごん)

 

公正証書遺言とは公証役場という所で、公証人という人が作ってくれる遺言書です。

公証人とは裁判官や検事を過去にしていた方が多く、一言でいえば法律のプロ中のプロの方。

そのような方が作ってくれる遺言書なので、安全性と確実性が非常に高い遺言書です。

 

 

 

②自筆証書遺言(じひつしょうしょゆいごん)

 

これは名前の通り自分の手で書き上げる遺言書です。

15歳以上の人であれば、誰でも紙とペンだけで簡単に作ることが可能です。

※15歳未満の人が作った遺言書は無効です。

 

 

ということで…

 

今回は証人などのハードルが高い公正証書遺言に比べ、軽でありながら安全性や使い勝手が問題視「されていた」自筆証書遺言の改正についてのお話です!

 

どうでもいい話ですが、遺言は「ゆいごん」とも「いごん」とも読みます。

もちろんどちらも正しいそうです。

 

ちなみに…

 

遺言書は必ずなくちゃいけないものではありません。

 

なくてもなんとかなります(笑)

 

しかし…

 

「遺言書があって本当によかった…」ということや、「遺言書さえ残しておいてくれれば…」

というシチュエーションがたくさんあるのも事実です…

 

 

特に家族仲があまり良くない場合は、遺言書があった方が絶対にいいです。

 

 

「家族での相続争い=争族」

という言葉を聞いたことありませんか?

高齢化の進展や社会情勢の変化によって、相続をとりまく環境は大きく変化してきました。

 

「長男が家を継ぐ!」

 

家督相続は今となっては遥か昔の話です。

今は「長男かどうか」「男か女か」に関係なく、一人一人の権利意識が強くなることで、遺産相続争いが増えてしまいました。

 

相続争いを回避するための有効な手段が「遺言書」なんですが、ルールが厳しく使い勝手の悪い部分があったため、ついに「自筆証書遺言」について民法改正が行われます。

 

つまり…

 

国をあげて相続をめぐる骨肉の争いに歯止めをかけようという流れです!

 

 

 

具体的には…

 

①作成方式

 

②保管場所

 

③検認の省略

 

大きくはこの3つが自筆証書遺言に関しての改正3大ポイントです。

 

 

 

 

 

 

《自筆証書遺言の作成方法が簡略化》

 

これまでの自筆証書遺言は偽造リスクを抑えるため、全文を遺言者本人が自書する必要がありました。

 

例えば…

 

「全財産を○○に相続させる」といったように簡単な内容であれば問題はなかったのですが、通常は「AとBとCの財産は○○に相続させ、DとEとFの財産は××に相続させる」といったように、財産の内容を細かく記載しなければならないため、遺言書作成はとても大変な作業でした。

 

そこで…

 

今回の相続法改正で作成方法が簡略化され、財産目録の作成が「自筆ではなくパソコン等でもいいよ」となったのです!

 

                                

 

 

例えば…

 

土地であれば「所在・地積・登記地目」など、預貯金であれば「金融機関名・支店名・口座種類・口座番号」などを記載した財産目録を、パソコンで作成して添付することで有効な遺言書となります。

 

財産目録に署名押印が必要にはなりますが、財産目録の中身の部分を自書しなくて済むだけで、遺言書の作成がかなり楽になると思います。

 

 

 

 

【保管場所の安全性が確保】

 

これまで自筆証書遺言を作成した場合に、遺言者自身が遺言書を保管す必要がありました。

 

よくある保管場所として以下のところなどが代表例でした。

自宅のタンスや机の中

金融機関の貸金庫・・・

 

 

                        

 

 

しかし…

 

そのリスクとして遺族が遺言書を発見できなかったり、遺言書の存在を知らないといったこともありました。

 

            

 

 

せっかく遺言書を作成していても、その存在がわからなければ意味ないですよね?

 

 

そこで…

 

今回の改正では、任意ではありますが自筆証書遺言の保管を、国の機関に依頼できるようになりました!

自筆証書遺言を作成のうえ、《無封の状態》で法務局に持ち込むことで遺言書の保管をしてもらえるようになります。

 

   

 

 

なお…

 

法務局では以下の遺言書の情報を磁気ディスクで保管します。

 

①遺言書の画像情報

 

②遺言書に記載されている作成年月日、遺言者の氏名・生年月日・住所及び本籍(外国人については国籍)、受遺者や遺言執行者の氏名・名称・住所

 

③遺言書の保管開始日

 

④遺言書保管所の名称及び保管番号

 

つまり…

 

これまで自筆証書遺言の4大リスクであった「偽装リスク」「紛失リスク」「未発見リスク」「隠蔽リスク」が軽減されることになったのです!!

 

 

 

【検認の省略が可能に】

 

従来の自筆証書遺言は相続発生後

 

①未開封の遺言書を家庭裁判所に持ち込み

②検認(遺言書の開封手続き)を行った後

 

でなければ相続手続きを行うことができませんでした。

 

通常…

 

検認には1~2か月程度の時間がかかるため、相続後すぐに相続手続きができないというデメリットがあり、公正証書遺言と比べて不便な一面がありました。

 

 

そこで…

 

改正によって法務局に保管された自筆証書遺言については、検認不要で相続手続きを行えるようになりました!!

 

 

これまで自筆証書遺言で検認が行われていた理由は、国の機関として相続人へ遺言書の存在と内容を知らせることで偽装を防止するためでした。

 

そのため自筆証書遺言を法務局が保管することで偽造の恐れがなくなり(遺言書保管時に本人確認等があります)、検認の省略が可能になるというイメージです。

 

 

 

【まとめ】

 

今回の改正は遺言書の作成方法を簡略化して、できるだけ多くの人に「遺言書のある円満な相続」を実現して欲しいというのが狙いでしょう。

 

裏を返せば遺言書がない相続では、それだけ高い確率で遺産相続争いが発生しているということでもあります。

 

今回の改正内容の運用が始まるのはもう少し先ですが、上手に遺言書を活用して家族が相続で争わないように対策してあげる心づかいが必要なのではないでしょうか。

 

 

 

「いつか来る相続に備え、残された家族が争わないように知っておかなくてはいけないこと。」

 

弊社ではこのような要素をお客様ごとにお聞かせいただき、配偶者に相続財産のどれくらいを相続してもらうことが一番有利になるか、その「目安」をシミュレーションさせていただきます。

 

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さて、改正内容だけでは表面的な話でしかない「遺言制度の見直し」ですが、少しでも多くの方に「遺言書」を活用していただければと思いつつ、第18話はこの辺で…。

 

次回は「40年ぶりの相続法改正とは!?」第4弾…

と言いたいところですが、今回の改正内容だけでは「そもそも遺言書の効力って?」と、疑問に思う方も多いと思います。

 

そこで次回は「遺言制度の見直し」で何が変わるの?の補足として、「遺言書の基礎知識」についてお話をさせていただきたいと思います。

 

それでは次回もどうぞお楽しみに!

 

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