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「第11話」婚姻期間20年以上の夫婦間贈与の特例

「第11話」婚姻期間20年以上の夫婦間贈与の特例

 

 

今回のご紹介するのは、長年連れ添った夫婦の間だけで使うことのできる贈与税の特例制度です。

この特例は一言でいうと「結婚してから20年以上経っている夫婦間であれば、自宅として使っている不動産を2,000万円分贈与しても、贈与税は課税しません」という特例です。

 

 

 

 

 

 

現在お持ちの不動産の持分を、2,000万円分贈与しても非課税ですし、これから新しく自宅を購入するに際して、2,000万円のキャッシュを贈与する形でも非課税です。

この制度はかなり人気があり、使っている方はとてもたくさんいらっしゃいます。

 

しかし…

 

残念なことにこの特例は使っても得になるどころか、損する場合の方が多いんです…。

 

2,000万円まで無税で贈与できる…一見お得そうに聞こえますよね?

 

何故この特例がお得にならないのか?

 

 

【3つの理由】

 

《その①》

夫婦間の相続は最低でも1億6千万円まで相続税はかかりません。(得にならない理由)

そもそも夫婦間の相続であれば、最低でも1億6千万円まで無税で相続できます。

 

第2話でもお話ししましたが、夫が亡くなりその財産を妻が相続する場合や、妻が亡くなりその財産を夫が相続する場合、相続財産の1/2までの相続か、又は1億6千万円までの相続であれば、相続税がかかることなく相続することができる「配偶者控除」という特例があるのです。

※詳しくは第2話をご覧ください。

 

この特例を使えば2,000万円とはいわず、1億6千万円まで無税で相続させることが可能なのです。

なので「不動産2,000万円分贈与しても無税!?なんてお得なんだ!」と思って、わざわざ生前贈与をしなくても、亡くなるまで待てば(この言葉が正しいかどうか疑問ですが…)「1億6千万円まで無税で相続できるの?2,000万円の無税はなんだったの?」という話になってしまうんです。

 

いやいや…

 

「私は1億8千万円欲しい」という方は少し話が変わってきますが、そうじゃない場合、税金を節約したいからといって、2,000万円を無理に贈与する必要はないのです。

 

 

 

 

《その②》

小規模宅地の評価減は、生前贈与では使えません 。(得にならない理由)

小規模宅地の特例という制度があるのをご存知ですか?

 

第3話でもお話ししましたが「故人が住んでいた自宅の土地や、故人が事業を営んでいた敷地については、配偶者もしくは同居している親族が相続する場合、80%減の評価で相続できますよ。」という特例です。

※詳しくは第3話をご覧ください。

 

本来、評価額が2,000万円するような自宅でも、配偶者であれば400万円の評価額で相続しても良いという訳です。

 

しかし…

 

小規模宅地の特例は、生前に配偶者に贈与するときには使えません。

あくまで相続時にしか特例を使うことはできないのです。

このことから何が言えるかというと…

2,000万円分の不動産を生前贈与しても、相続財産としては400万円の評価額の財産しか減っていないということになります。

 

しかも!

 

どっちらにせよ配偶者に相続させる場合には1億6千万円まで無税なわけですから、条件がそろわない限り効果がないと言えるわけです。

 

 

 

 

《その③》 

不動産取得税と登録免許税(損する理由)

先の2つの理由は「得にならない」理由です。

最後は「損する理由」です。

 

その理由というのが、不動産取得税登録免許税という2つの税金の存在です。

 

不動産取得税とは、その名の通り不動産を取得した時にかかる税金です。

 

固定資産税評価額に「土地は1.5%」「家屋は3.0%」の税率をかけて計算します。

 

仮に2,000万円の土地のを贈与した場合…

取得税は「2,000万円×1.5%=30万円前後」といったところです。

※特例は考慮しておりません。

 

そしてもう1つの税金が登録免許税です。

 

税率は2.0%なので「2,000万×2.0%=40万円」といったところです。

 

二つの税金を合わせると…

 

なんと支払う税金は70万円前後になります。

 

そうなんです。

贈与税はかかりませんが、不動産取得税登録免許税はそれなりにかかってきます。

 

 

そしてここから驚きの内容です…

 

相続で不動産をもらうとき「不動産取得税は非課税」「登録免許税は0.4%」なんです!

贈与時は不動産取得税が「土地1.5%」「家屋3.0%」、さらに登録免許税が2.0%かかりますが、相続時はこれらの税金が非常に優遇されます。

 

そうです!

 

不動産は下手に贈与すると、意外なコストがかかります!

 

 

それだけではありません。

 

不動産を贈与されれば名義変更が必要です。

 

この手続きを司法書士に頼むと、おおよそ5万円から10万円ほどの手数料が発生します。

 

さ・ら・に!

 

ご自身でやらず税理士に贈与税申告を依頼すれば、10万円から15万円くらいの手数料がかかります。

 

なんだかんだ…結局全てのコストを合わせると、100万円前後かかってしまうことになります

もちろん司法書士と税理士に対する報酬は、相続の時にもかかりますが…。

 

 

 

そして…

 

夫婦間贈与の特例で、このコストを回収できるだけの相続税を節税できたか?というと…

残念なことにできていない可能性の方が高いのです!

 

なぜなら生前贈与をしなくても、相続まで待てば夫婦間は1億6千万まで無税ですし、自宅の評価額は80%も減額されるのですから。

 

これだけ言っておきながらなんですが、この特例を使うと有利になるケースが2つあります。

 

1つ目はこれから新しく不動産を購入するにあたり、金銭として2,000万を贈与する場合です。

この場合には金銭なので不動産取得税や登録免許税、そして司法書士費用も必要ありません。

 

 

 

【まとめ】

 

 

結婚後20年の節目を迎え「大切な君に自宅をプレゼントとして贈与したい」という気持ちは、とてもとても素敵なことだと思います。

 

     

 

しかし…

 

本音は「相続税対策にもなるし」と思われている方…

残念ながらこの贈与税の特例を使っても相続税対策にはなりません。

 

非課税と聞くと、とてもお得なものに聞こえます。

 

でも将来的に相続税が課税される人にとっては、贈与税を払ってでも多くの財産を生前贈与した方が、最終的には得をします。

 

詳しくは次回「相続税を払う方が得になる!?」でご説明しますので、ぜひ第12話もご一読ください。

 

 

 

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さて今週は結婚20周年を迎える「素敵なご夫婦」に向けてお送りした夫婦間贈与の特例。

このブログを読んで、今日から素敵なご夫婦が増えることを願っております。

 

次回は「相続税を払う方が得になる!?①」についてお話します。

 

次回もどうぞお楽しみに!

 

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